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いつの間にやら毎日更新。着物と猫と料理と映画&芝居&ライブ・ときどき旅をメインに、日々の記録を積み重ねています。
そうめんジプシー
2010年07月13日 (火) | 編集 |
そうめんが好きである。
実家にいた頃、夏のお昼は毎日のようにそうめんだった。
当たり前のように食べて、特にありがたみもなかった。

ウチの父は自宅で歯科医を開業していたが、休診日の木曜になると外に出かけていた。
母に聞くと「大学に行っているのよ」と言う。
私は子供心に『なんでウチのお父さんは、いつまでも大学を卒業できないんだろう?』と不思議に思っていた。
なんのことはない、週に一度母校で講師をやっていたのである。
さらに父は自分の教え子(歯科医の卵)を自宅に通わせ、実地研修のような形で歯科技術を教えていた。
つまり、私が物心つく頃にはすでに、我が家には若い兄ちゃんたちが何人も代々通っていたのだ。
私たち兄弟は、彼らを「○○センセー」と呼んでいた。
センセーたちは、休憩時間によく遊んでくれた。
おやつを取り合ったりしたこともある。どのセンセーも楽しくて優しかった。
そして数年ウチで修行を積むと、彼らは我が家を「卒業」して、田舎に帰って開業するのである。
父を慕ってくれたセンセーたちは、季節ごとに地元の美味しいものを贈ってくれた。
北海道の鮭・イクラ。利尻昆布。小豆島のそうめん。半田そうめん。讃岐うどん。すだち。まつたけ。巨峰。鮎。蟹。…などなど。
全国に散らばったセンセーたちは、父の死後も、毎年欠かさず全国の美味しいものを贈り続けてくれた。

家を出てからも、実家に帰るたびにこれらの美味しいものを分けてもらっていた。
が、ここ数年、母や姉との関係がぎくしゃくして実家に帰らなくなり、分けてもらうこともなくなった。
スーパーで買ったそうめんを食べると…美味しくない。
たまたまハズレだったのかな?と、次回別のそうめんを買っても、なんか違う。
今度こそはと、あちこちのスーパーで様々なそうめんを買ったが、やっぱりダメだった。なんか違う。納得できない。
私はすっかり「そうめんジプシー」になってしまった。
高いけど「揖保の糸」に手を出さなくちゃいかんかなーと思いながら、さきほど試しに「本当においしい そうめん」でググッてみたら、見覚えのある画像に「あ!」と声をあげてしまった。
これだ!これ!「小豆島そうめん 島の光」これよ!
そうそう!これ!「半田手延べそうめん」これだ!
長年刷り込まれた味覚が蘇ると同時に、子どもの頃のセンセーたちとの思い出が蘇ってきた。実は面倒見の良かった父のことも。
泣きたいくらいに、なつかしい。

美味しい味には、美味しい思い出がつきまとう。
通販で購入しようかなと思いつつ、久しぶりに実家に帰ってそうめんを分けてもらうのもいいかもしれない…と思った。

小豆島そうめん「島の光」
http://item.rakuten.co.jp/kyubey/soumen-kuro2kg/
半田手延べそうめん
http://item.rakuten.co.jp/e9680/1512637/
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コメント
この記事へのコメント
No title
そうめんひとつにもいろいろな記録がしみつくものです(食べ物って特にそうかも)。

実家で食べるそうめんは、そうめん用の奇麗な器に、水に泳がせたまま食べるそうめんでした。

上京してから食べるそうめんは水をきって食べるそうめんです。

もちろん、銘のあるそうめんがうまいのはわかるけど、あんまり本当はそういう味がわからない。

そうめんって、なんか味でなく、風景がある感じ。僕にとって。
2010/07/13(火) 16:53:00 | URL | けものだ #79D/WHSg[ 編集]
No title
けものだ氏、コメントありがとう!

幼少時に刷り込まれた味覚というのが、「島の光」そうめんなんだよね、私には。

あれじゃないと、なんかそうめんじゃない気がして。

ワサビ醤油じゃないと刺身じゃないでしょ、コチュジャンだったら別の料理でしょ、みたいな(ちょっと違うか?)。

もちろん、味や香りやのどごしだけじゃなく、記憶という風味が追加されるから美味しいんだけどね。

なんだろ、珍しくこだわります(笑)

ウチは麺を茹でるのは父親の仕事だったなー。そんな思い出もまた風味。
2010/07/13(火) 18:37:00 | URL | みやぢ #79D/WHSg[ 編集]
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