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いつの間にやら毎日更新。着物と猫と料理と映画&芝居&ライブ・ときどき旅をメインに、日々の記録を積み重ねています。
『シズコさん』『悪人』
2010年10月22日 (金) | 編集 |
PA221888『シズコさん』by佐野洋子は、読み始めたらどうしても最後まで読みたくて、今朝の2時までかけて一気に読んだ。
すごい。ものすごい。すさまじいと言ってもよい。
作家という職業は、ここまで自らをさらけだしてしまうのか。
これほど身を削って書かれた文章を、私は読んだことがない。
自分が感じたことを徹底的に見つめて見つめて見つめて、厳選された言葉で一刀両断にぶち切る。
とんでもない作品だ。
あくまでも佐野洋子の視点で描かれているから、最初は少し読みづらい。
読みながら意味がとれなくて、行きつ戻りつしながら読んでいた。
そのうちに、この作品が佐野洋子個人の物語ではなく、誰にも起こりうる「母と娘」の物語だと気付くと、恐ろしいまでにクリアでリアルな世界が目の前に展開されてくる。
本を読んでいて涙が出るということは、ままある。
しかし、本を読んでいて慟哭したのは初めての経験だった。
この作品が、自叙伝でありながら日記やブログではなく、一つのエンターテイメントとして成り立っているのも見事だ。
解説の内田春菊の文章で、作品がより魅力的になった。
世の娘たちは、全員この本を読むべきだと思った。また、世の息子たちがこの本をどう読むのかも興味あるところ。
佐野洋子、末期がんらしい。
年齢を重ねて、時間をかけて、さまざまな経験をしたからこそ、書くことができた作品なのかもしれない。

PA221889『悪人』by吉田修一。これまた、続きが気になって一気に読んだ。
映画を観たから内容は知っていたが、小説という媒体だとこういう表現になるのかと感心した。あ、逆だね。小説が先で映画が後だ。
それにしても、映画のキャスティングは見事だったと思う。読みながらそれぞれの役者さんをイメージして、それが全く無理がない。
映画を観た時の感想にも書いたと記憶しているが、この作品は人物描写が素晴らしい。そうか、この原作の描き方が映画にもちゃんと出ていたんだな、と思った。
ラストに向けてどんどんまとめて行くのが、小気味よい。
結局、祐一の本当の気持ちは、最後まで分からない。
祐一自身のモノローグを読んでも、明確には描かれていない。
その余白が、悲しくて切ない。
光代の最後の言葉が、繰り返し心の中で響く。
悪人って…。

今回の読書は大当たりだった。
やっぱ、『ちょんまげぷりん』読もうかな。
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コメント
この記事へのコメント
No title
悪人よいでしょ



ぜひ立ち読みでもよいので「シナリオ版」巻末の座談会よんでください。
2010/10/24(日) 19:47:00 | URL | けものだ #79D/WHSg[ 編集]
No title
けものだ氏のお薦めだった&本屋でぱらっと立ち読みしたらいい感じだったので、購入して読んでみたよ。

うん。すんごく良かった!!!

シナリオ版巻末の座談会? それは読みたい。

映画も良かったけど、原作の終わり方が好きだなぁ~。

『シズコさん』お薦めよ。男性の感想が聞きたいので、読んでみてちょ!
2010/10/24(日) 23:13:00 | URL | みやぢ #79D/WHSg[ 編集]
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