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いつの間にやら毎日更新。着物と猫と料理と映画&芝居&ライブ・ときどき旅をメインに、日々の記録を積み重ねています。
2013年08月28日 (水) | 編集 |
そういやこの夏は映画を観てないな~、と思って、朝イチで観てきた。
言わずと知れた妹尾河童原作『少年H』の、映画化作品。
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これ、テレ朝の55周年記念作品だったのねー。へー。
あのね…スゴイよ、この映画。

まず役者。
水谷豊って、ホントにスゴイ役者だったんだな! と、今更ながら再認識させられた。
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少年Hの父役なんだけど、さりげない芝居が実にいい!
私は、警察から帰ってきた時に息子の背中を「ポン」と手で叩いて2階へ行くよう促すシーンで、胸が詰まったよ。あの手のアップに、泣けた泣けた。
父の言葉の一つ一つが、表情の一つ一つが、息子を大人にしていくんだなぁ…とか思ってね。
伊藤蘭の母役も、めちゃくちゃはまってた。さすが、実生活でもご夫婦なだけあって、水谷豊との相性もバッチリ。
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ちなみに、着物姿がたくさん出てくる。銘仙に長羽織、といった服装から、戦争が激化するにつれてモンペへ、終戦し疎開した娘を迎えに行ったときの洋装…と移り変わっていくのも、「衣装で見せる時代」って感じで良かったなぁ。
ほかにも、いい役者さんがてんこ盛りだったさ。小栗旬、早乙女太一、原田泰造、佐々木蔵之介、國村隼、岸部一徳…。
あ、ちなみにちなみに、少年Hを演じたコ、妹尾河童さんによく似てます(笑)。笑っちゃうくらい。
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さらに演出。
映画ならでは、映画館ならではなのだけど、「音」のもたらす効果がすごい。
空襲の前に、館内がビリビリ振動するくらいの爆撃機の「音」がするのよ。
画面にはまだ空襲の「く」の字も映っていない、でもその「音」の振動が圧倒的な恐怖として観客を襲ってくる。
これは、初めての体験だった。戦争を追体験している気分だった。
この監督は「見せないことによる見せ方」が上手いなぁ、と思った。
あと、神戸の大空襲の「空」の見せ方。空襲の空を、あんなふうにきれいに見せた監督は今までいなかったんじゃないかな。だから少年Hの「花火みたいで、きれいやぁ…」って言葉が、すごく心に響いた。戦争体験者の先輩教員にかつて「爆撃機がキラキラ光るのはきれいだったぞ」と言われたことがあって、その時はよく理解できなかったけど、この映画を観て初めて「なるほどねー」と思った。
花火みたいで、きれいで、そして恐ろしいのだよ、この「空」が…。すさまじい描き方だった。

そして、これらを全部支える脚本がいいっ!
いやー、あの原作のどこを抽出するか、どう描くか、すごくよく考えて作られている脚本だと思った。
最初の「のどかな神戸」をしっかり丁寧に描いているから、少しずつ戦争に巻き込まれていって、どんどん戦時色が強くなっていくのが見て取れるように描いている。よく2時間でまとめたよなー。
2回ほど少年Hに叫ばせていたのは「えーーーー???」と思ったけど、他は文句なし。
ぐはー、古沢良太(「キサラギ」「探偵はBarにいる」「リーガル・ハイ」など)はマジでハズレ無し。すげー。

戦争もの、という一括りではとても言えない映画だったよ。
んでも、間違いなく戦争ものではあるんだけどもさ。
エンターテイメントだす。気が向いたらぜひ。おすすめ。92点!

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コメント
この記事へのコメント
子ども
>少年Hの「花火みたいで、きれいやぁ…」
で、本物を書いてるって、分かりますね。その先輩教員も、嘘がありませんね。実母も、同様に言っていました。子どもって、そういうものですよ。

昔の記憶が、その後の体験や周りの人達の意見によって、変わってしまった人達の多さを思うと、妹尾河童さんは凄いですね。子どもと大人では、感覚も視点も思考も違いますから。
戦争体験者の話は勿論大切ですが、その当時の子どもだった頃の記憶と気持ちのまま話しているのではなく、主催者側に合わせて話を変えてるようなことも多々あるんですよね。その方が、単純な「戦争反対」には好都合なのでしょうが、違うよなあ~と、思ってしまいます。

「キサラギ」も「探偵~」も良かったので、なるほどと思いました。映画は、脚本と配役と監督。どれが外れても残念になりますからねえ。良かった良かった。
2013/08/29(木) 00:32:46 | URL | はんな #2sQQXnjA[ 編集]
すごい
大絶賛ですね。
この映画は気になってはいたのですが、最近邦画は映画館でなくてもいいや。
と、言う気持ちに傾きつつあって…。
でもこうして風景や音の効果を語られると「む!やはり映画館へ行くべきか。」と、考えさせられます。
む~ん。やはり行こうかな…。
2013/08/29(木) 01:05:59 | URL | ほあかばりきるま。 #-[ 編集]
映画を見て帰ってきたところです。
水谷豊が嫌いだったので行くかどうか思案していたのですが、良かったですね~ぇ。
生まれも育ちも神戸の私が聞いていても神戸弁に全く違和感が無かった。私の親世代を演じていますが、あの時代のおだやかな時代を生きてきた人の口調が上手かったですね。聞いていてちょっと感動しました。他の出演者の方達も良かったですね。
内容は良く知られていますし、神戸の戦争被害のようすはいやというほど親から聞かされて育っているので、それを映像で見たと言う感じですが(なにしろ神戸は3回も空襲にあっているので・・・ 私の親は3回焼け出されたそうですよ)
 こんな映画こそ子供達に見て欲しいですね。
2013/08/29(木) 16:59:55 | URL | #-[ 編集]
はんなさん
妹尾河童さんの講演会を2度ほど聴きにいったことがあるんですが、彼は本当に少年がそのまま大人になったような、チャーミングなおじいちゃんです。感覚がものすごく若いの。
だから、少年だった頃の気持ちを失わずに、そのまんま作品に書けたのかもしれませんね。
そう、この作品って単なる「戦争反対」じゃないんです。もっとこう、人間として大切なものを考えさせてくれるような作品でした。それは原作を読んだときにも「変わった戦争ものだなぁ」という印象としてありましたが、今回映画を観てその思いを強くしました。
…なんか、語ってますね(笑)。古沢良太作品は、今後要チェックですね。
2013/08/29(木) 20:42:07 | URL | べにお #-[ 編集]
ほあかばりきるま。さん
映画ってやっぱり映画館で見せることを前提として作っているなぁ、と最近とみに実感しましてね。もちろん気軽にDVDやテレビ放映で観ても面白いのですが、映画館で観たときと感じ方が変わってしまうように思うのですわ。
大画面の迫力、音の響き方や廻り方、大音声、映画のみに集中せざるをえない環境、一緒に観ている観客の反応、ポップコーンの匂い(?)…それら全部を合わせての感覚が、映画製作者の意図なんじゃないかなーってね(笑)。ナマイキ言うようですけど。
私は特に、テレビだと集中して観られないタイプなので(何か作業をしながらでないと、もったいない気がしてしまう/笑)、余計にそう思うのかもしれません。
この映画はとくに、映画館で味わってほしいなぁ~。機会があったら、ぜひ!
2013/08/29(木) 20:49:31 | URL | べにお #-[ 編集]
???さん
いらっしゃいませ~。コメントどうも有り難うございます♪
おお! ご覧になりましたか!
ああ神戸弁…。なるほど、神戸弁だから柔らかい感じに聞こえていたのですね。すみません、関東人には細かい違いが聞き分けられず「関西弁」でいっしょくたにしてしまうもので…。
父親が息子を「アンタ」って呼ぶのが、なんか良かったなぁ~。
神戸の方がご覧になって違和感を感じないのであれば、それはかなりしっかりと下調べをして丁寧に誠実に作ったということでしょうね。これはまた、いいことを教えて頂きました♪
私、実はラストシーンで少年Hが看板を描きながら叫ぶのが、どうも納得できなかったのです(笑)。でも、確かに、子供たちに観て欲しい映画ですねー。

追記:えーと、できれば今後はお名前(もちろんハンドルネームでかまいませんので)を書いていただけますか?
以前「名無し」コメントに何度も不快な思いをしたもので、名前がないと警戒してしまうのです。よろしくお願いいたします。
2013/08/29(木) 21:01:01 | URL | べにお #-[ 編集]
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2013/08/30(金) 00:52:53 | | #[ 編集]
あーちゃんさん
ハンドルネーム、出してもいいですかね?
コメント有り難うございました! どうかお気になさらずに♪
また遊びに来てくださいね♡
2013/08/30(金) 20:58:22 | URL | べにお #-[ 編集]
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