2021年07月20日 (火) | 編集 |
母親が寝たところで、ようやく静かになった。
静かになった、というか、今度は兄貴が猛然と喋り出した。
それまでも兄は私と喋りたがっていたのだが、ずーっと喋り続けていた母親が寝たので枷がなくなった感じ。
さんざん母親に振り回されてきたから、溜まってたんだろうな。
これまでの経緯から、兄貴がやってきた様々なこと、今後何をやらなければいけないか、ヘルパーさんについて、施設のこと、犬のこと、などなど…。
いやーーー、ものすごい量の言葉達が津波のように押し寄せてきた。
溜まってたんだねー、全部兄貴に任せちゃってて悪かったね。申し訳ない。
私には負い目、罪悪感がある。
子供の頃から母親に「おにーちゃんは頼りないし、おねーちゃんは当てにならないから、老後の面倒はべにおがみてね」と言われ続けていたため、深層心理に「母親の面倒は自分がみなければいけない」という意識がある。
でも実際にはとっとと家を出ており、姉が母と一緒に住んでくれたり、今回のように兄貴が母のために動いてくれたりすると、『有り難い』と思いつつ『ホントは私がしなきゃいけないのに、申し訳ない』と罪悪感にとらわれる。
母親のことで兄貴や姉貴がつらそうになると、自分を責めてしまう。
母の刷り込み、おそるべし(苦笑)。
「私も母さんの面倒みなきゃいけないのに、ごめんね」と兄に言うと、兄はビックリしたような顔をして言った。
「べにおは、そんな負い目感じる必要ないよ。
俺は実家で仕事させてもらってるし、金かけて大学出させてもらってるし、今まで放っておいた負い目があるからやるけど。
べにおは自分で勉強して、考えて、国立大学で学費もかかってないし、自立して一人で生活してる。
さんざん母親に依存してきた姉貴が『自分には関係ない』って言うのは許せないけど、べにおが同じ事を言うんなら『まー仕方ないかな』って思えるくらいだよ(笑)」
…涙が出てきた。
兄貴は、ずっとそんな風に思っていてくれたんだ。
母にすり込まれた義務感と罪悪感を、一笑にふしてくれた。
何十年も一人で抱え込んでいた重苦しい気持ちを、軽くしてくれた。
そう言ってくれた兄貴だから、少しでも負担を減らしてあげたい。という気持ちに間違いは無い。
けど、それもあくまで「サポートとして」で、母親に関わるのはロールプレイングゲームの「毒沼」に自ら入っていくようなものだから、なるべく必要最小限にしたい。
兄貴は助けたいけど、母親とは関わりたくない。
だけど、兄貴から負の言葉のマシンガントークをされると、ものすごく体力が減るのだ。
HP&MPがガンガン減っていく感じ。勘弁してくれー、って逃げ出したくなる。
でも負担を軽減するには、兄貴の愚痴を聞いた方がいいんだろうなー、と思って頑張って聞いていたんだけど、これってかつて母親の愚痴を我慢して聞いていたのと同じじゃん?と思ったら、さらに辛抱たまらなくなった。
午後9時頃まで兄貴の話を聞いて、もう限界だと感じたので家に帰った。
帰宅して、猫たちに「かあちゃん、遅い!お腹すいた!!」と散々文句を言われながらエサをやる。
自分もお腹が空いているはずなのに、何も食べる気になれず冷水だけを飲んだ。
私のことを大事にしてくれない、それどころか私のことを覚えてもいない母親のために、HPもMPも消耗する長い一日だった。
エサを食べ終えた猫たちが、「ごちそうさま~」と私の膝に頭突きをして嬉しそうに私を見上げる。
その時はじめて緊張から解放された。
私が守るべきは、私自身と私を大事に思ってくれている猫たちだけだ、と思った。<完>
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静かになった、というか、今度は兄貴が猛然と喋り出した。
それまでも兄は私と喋りたがっていたのだが、ずーっと喋り続けていた母親が寝たので枷がなくなった感じ。
さんざん母親に振り回されてきたから、溜まってたんだろうな。
これまでの経緯から、兄貴がやってきた様々なこと、今後何をやらなければいけないか、ヘルパーさんについて、施設のこと、犬のこと、などなど…。
いやーーー、ものすごい量の言葉達が津波のように押し寄せてきた。
溜まってたんだねー、全部兄貴に任せちゃってて悪かったね。申し訳ない。
私には負い目、罪悪感がある。
子供の頃から母親に「おにーちゃんは頼りないし、おねーちゃんは当てにならないから、老後の面倒はべにおがみてね」と言われ続けていたため、深層心理に「母親の面倒は自分がみなければいけない」という意識がある。
でも実際にはとっとと家を出ており、姉が母と一緒に住んでくれたり、今回のように兄貴が母のために動いてくれたりすると、『有り難い』と思いつつ『ホントは私がしなきゃいけないのに、申し訳ない』と罪悪感にとらわれる。
母親のことで兄貴や姉貴がつらそうになると、自分を責めてしまう。
母の刷り込み、おそるべし(苦笑)。
「私も母さんの面倒みなきゃいけないのに、ごめんね」と兄に言うと、兄はビックリしたような顔をして言った。
「べにおは、そんな負い目感じる必要ないよ。
俺は実家で仕事させてもらってるし、金かけて大学出させてもらってるし、今まで放っておいた負い目があるからやるけど。
べにおは自分で勉強して、考えて、国立大学で学費もかかってないし、自立して一人で生活してる。
さんざん母親に依存してきた姉貴が『自分には関係ない』って言うのは許せないけど、べにおが同じ事を言うんなら『まー仕方ないかな』って思えるくらいだよ(笑)」
…涙が出てきた。
兄貴は、ずっとそんな風に思っていてくれたんだ。
母にすり込まれた義務感と罪悪感を、一笑にふしてくれた。
何十年も一人で抱え込んでいた重苦しい気持ちを、軽くしてくれた。
そう言ってくれた兄貴だから、少しでも負担を減らしてあげたい。という気持ちに間違いは無い。
けど、それもあくまで「サポートとして」で、母親に関わるのはロールプレイングゲームの「毒沼」に自ら入っていくようなものだから、なるべく必要最小限にしたい。
兄貴は助けたいけど、母親とは関わりたくない。
だけど、兄貴から負の言葉のマシンガントークをされると、ものすごく体力が減るのだ。
HP&MPがガンガン減っていく感じ。勘弁してくれー、って逃げ出したくなる。
でも負担を軽減するには、兄貴の愚痴を聞いた方がいいんだろうなー、と思って頑張って聞いていたんだけど、これってかつて母親の愚痴を我慢して聞いていたのと同じじゃん?と思ったら、さらに辛抱たまらなくなった。
午後9時頃まで兄貴の話を聞いて、もう限界だと感じたので家に帰った。
帰宅して、猫たちに「かあちゃん、遅い!お腹すいた!!」と散々文句を言われながらエサをやる。
自分もお腹が空いているはずなのに、何も食べる気になれず冷水だけを飲んだ。
私のことを大事にしてくれない、それどころか私のことを覚えてもいない母親のために、HPもMPも消耗する長い一日だった。
エサを食べ終えた猫たちが、「ごちそうさま~」と私の膝に頭突きをして嬉しそうに私を見上げる。
その時はじめて緊張から解放された。
私が守るべきは、私自身と私を大事に思ってくれている猫たちだけだ、と思った。<完>
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この記事へのコメント
お兄様もべにお様もお疲れ様でございます。
お母様が施設にご入居されたら 皆様 ほんとに安心されることと思います。そしたらお兄様の愚痴も出なくなりますよ、きっと。ぐっすりお休みになり、お心お健やかにお過ごしくださいませ。
お母様が施設にご入居されたら 皆様 ほんとに安心されることと思います。そしたらお兄様の愚痴も出なくなりますよ、きっと。ぐっすりお休みになり、お心お健やかにお過ごしくださいませ。
2021/07/21(水) 07:58:23 | URL | 枯桜 #tMDD5g.o[ 編集]
ねぎらいのお言葉どうも有難うございました。
この1ヶ月、なんだか怒濤の日々でございました。といっても、私なんか全然なにもしていないようなものですので、兄貴の心労は計り知れず大きなものだったと推察します。
兄貴、本当にお疲れさまでした。やっと明日で解放されます。
あ、公開コメントにしてくださって有難うございます。
これでようやく、お返事できます(笑)。
この1ヶ月、なんだか怒濤の日々でございました。といっても、私なんか全然なにもしていないようなものですので、兄貴の心労は計り知れず大きなものだったと推察します。
兄貴、本当にお疲れさまでした。やっと明日で解放されます。
あ、公開コメントにしてくださって有難うございます。
これでようやく、お返事できます(笑)。
2021/07/22(木) 20:07:28 | URL | べにお #-[ 編集]
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