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いつの間にやら毎日更新。着物と猫と料理と映画&芝居&ライブ・ときどき旅をメインに、日々の記録を積み重ねています。
父親の話。その1
2021年08月25日 (水) | 編集 |
なぜか急に、24年前に亡くなった父親のことを思い出したので書いておく。
私は3人兄弟の末っ子で、大学卒業して就職したらすぐに実家を出たので、父親と過ごしたのは22年間である。
…そうか、一緒に過ごした時間より、亡くなってからの時間の方が長くなってしまったんだな、もう。

父は歯科医師で、開業当時は近隣に歯科医院はまったくなく、いつも診察室は患者さんであふれかえっていたそうだ。
「なんでこんなになるまで放っておいたんだ!」
「痛いのがあたりまえだ!」
昔ながらの頑固職人で、口も悪く、診察室から父の怒鳴り声がよく聞こえた記憶がある。そして、子供の患者さんが怖がって泣き叫ぶ声も。
たぶん昭和のお医者さんって、そういうタイプが多かったんじゃなかろうか。病院とは、お医者さんに怒られる怖い所であった。
ウチは母親も歯科医師で、年子の姉と兄が赤ん坊の頃は母も育児に専念していたようだが、私の時は母も診療に出ていた。
患者さんが多くて父親だけじゃさばききれない、というのもあったろうが、おそらく母が「仕事をしたい」と強く要望したのではないだろうか? なぜなら、私が生まれたときには、すでに近隣に何軒か歯科医院ができ、姉や兄が生まれたときより患者さんが減っていたはずだから。
ウチの母の性格からしても、家に引きこもって専業主婦だけというのは我慢ならなかったような気がする。もともと家事全般が嫌いな人だし。
で、我が家の家事と私の育児は、その時雇われた「お手伝いさん」に任されたのである。
お手伝いさんは、私が高校を卒業するぐらいまでウチに通ってくれたんじゃなかったか…たしか。
私が生まれてすぐからウチに来てくれたみたいで、私のことを自分の子供のように可愛がってくれた。
そうだ、初めての料理を教えてくれたのも、そのお手伝いさんだったなー。
岡田尊司著『死に至る病~あなたを蝕む愛着障害の脅威~』の中に、「幼少時に接触が少ない子供には、母親は愛情を持ちにくい」という記述があって、あーだから私は母に愛されなかったんだなあ~と妙に納得した覚えがある。
ま、それも、ウチの母親が選んだことか。
―――――話がずれた。父のことに戻ろう。

ウチは木曜と日曜・祝日が休診だった。
しかし、毎週木曜に父は「大学」に行くので不在だった。
私は子供の頃『なんでウチのお父さんは、いまだに大学へ通わなくちゃいけないんだろう? まだ卒業できないのか?』と思っていたが、実は父は学生ではなく、「講師」として大学に通っていたのだった。要は、大学で授業を持っている先生だったのだ。
今にして思うと、私が教師という職業を選んだのは父親の血なのかもしれない(笑)。他は何一つ似ていなかったけど、職業の資質だけ似ていたのかも。
ちなみにウチの兄貴は容姿も声も父にそっくりで、歯科医師になって父の後を継ぎ、一時期は大学で講師もやっていた。…似すぎで笑える。
さて、そんなわけで大学の先生だった父なのだが、その関係で自分の授業を受講している学生をウチの歯科医院でインターンとして働かせ、実地指導をしていた。
…あれって、大学の許可を得てやってたのかなあ? 勝手にやってたんじゃあるまいな?(笑) 
今思うと不思議だが、我が家には若い歯科医師の卵たちが常に1~2人通っていて、それが何代も続いていたのだ。
私の記憶にあるだけでも、5~6人浮かぶ。若くて気さくなアンチャンセンセーばかりだった。
おやつの時間には、一緒におやつを食べた。私達子供のおやつを「もーらいっ♪」と奪い取る大人げないセンセーもいた。
たまに時間があると、けん玉を教えてくれたり、ゴムでっぽうを作ってくれたり、算数を教えてくれたりした。
なかなか愉快な環境だったなぁ。今にして思えば。
センセーたちは大学を卒業すると、地元に帰って開業していた。
そして年に数回、歴代センセーたちと父は集って、旅行をしたりゴルフをしたりしていた。毎年、お中元とお歳暮も欠かさず贈ってくれた。父さん、教え子たちに愛されてたんだなぁ。
職人気質で口の悪い父だったけど、面倒見が良く、とことんまで付き合う人だった。
何か相談を受けると、自分の事のように悩んで親身になる人だった。
<なんだか書き出したら止まらないので、また続き書きます。その2へつづく>

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