2022年06月01日 (水) | 編集 |
今のようにダンスが必修というわけではなかったと思うが、私が中学生の頃、体育の授業で創作ダンスをやった。
当時の体育の授業は、男女別に分かれ2クラス合同で授業を行っていた。たしか、男子はダンスがなかったと思う。
お隣のクラスとメンバー入り乱れてグループを作り、話し合いながらダンスを作っていく。
ウチのグループでは、私の考えた「くれよん」という物語をベースにダンスを作った。
---少年は素敵なクレヨンを持っていた。
白いクレヨンでスケッチブックに絵を描く。でも、白い紙に白で描いても何も見えない。
「なんだ、つまらない」と白いクレヨンは放り投げられ、少年はカラフルなクレヨンたちに夢中になる。
赤・青・黄色・緑・ピンク・水色…色とりどりのクレヨンたちと仲良く踊る少年。
その陰で、次第に暗い色たちはひがんでいった。黒・焦げ茶・紫・灰色…すっかりいじけて、少年に背を向けるクレヨンたち。
ついに不満が爆発する。「僕たちに見向きもしない少年なんて!」
暗い色たちは楽しく踊っている少年を突き飛ばし、明るい色たちに戦いを挑む。
激しいダンスバトル。少年は戦いを止めようとするが、クレヨンたちの勢いに弾き飛ばされてしまう。
どちらのクレヨンが勝つのか?…いや、どちらのクレヨンも傷つきふらふらになっている。
スケッチブックは様々な色で塗りつぶされ、今やわけのわからない状態だ。
すると、今まで部屋の片隅にいた白いクレヨンが立ち上がり、戦いの中に入っていった。
そして、すべての色を白く、白く、塗りつぶしていったのである。
倒れ伏すクレヨンたち。すべてを塗りつぶした白いクレヨンも、力尽きて倒れてしまう。
静まりかえる舞台。
少年が立ち上がり、クレヨン一つ一つを見て回る。
最後に白いクレヨンの手をとり、頬ずりをする。「…ごめんね」
…ああ、そうだ。こんなストーリーだった。案外覚えているもんだなぁ。
40年ぶりくらいに思い出したら、ふっと頭にもう一つの作品がよぎった。
それは、さかざきちはる著『ワン ワン ワン -捨て犬たちの小さなおはなし』という絵本。
人間の身勝手な理由で保健所に連れてこられた3匹の犬たちの物語で、私は特に最後のお話が心に残っている。
飼い始めの頃は頻繁に名前を呼んでくれた飼い主。
しかし、しだいにかまわれなくなり、名前を呼ばれなくなり、犬は自分が「透明になった」と感じる。
…いずれの犬も保健所で新しい飼い主と出会い最終的には幸せになることができるのだが、切なくて、涙が出てくる話だ。
ここまで思い出したところで、この二つには共通点があると気付いた。
どちらも主人であり愛する者に、無視され見捨てられるというストーリーなのだ。
ああ、そうか…と腑に落ちた。これは、母と私の物語なのだな。
中学生の頃から私の中には「カラフルなクレヨンと比較されて、無視されて放置されている自分」という自覚があったんだな。(ちなみに私は黒クレヨンの役だった)
「母にとっては自分も、透明な存在なんだ」って、自分と重ね合わせて涙していたんだな。(そしてついには母の脳内から末梢されたし)
腑に落ちて、合点がいって、ため息がでた。
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当時の体育の授業は、男女別に分かれ2クラス合同で授業を行っていた。たしか、男子はダンスがなかったと思う。
お隣のクラスとメンバー入り乱れてグループを作り、話し合いながらダンスを作っていく。
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白いクレヨンでスケッチブックに絵を描く。でも、白い紙に白で描いても何も見えない。
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その陰で、次第に暗い色たちはひがんでいった。黒・焦げ茶・紫・灰色…すっかりいじけて、少年に背を向けるクレヨンたち。
ついに不満が爆発する。「僕たちに見向きもしない少年なんて!」
暗い色たちは楽しく踊っている少年を突き飛ばし、明るい色たちに戦いを挑む。
激しいダンスバトル。少年は戦いを止めようとするが、クレヨンたちの勢いに弾き飛ばされてしまう。
どちらのクレヨンが勝つのか?…いや、どちらのクレヨンも傷つきふらふらになっている。
スケッチブックは様々な色で塗りつぶされ、今やわけのわからない状態だ。
すると、今まで部屋の片隅にいた白いクレヨンが立ち上がり、戦いの中に入っていった。
そして、すべての色を白く、白く、塗りつぶしていったのである。
倒れ伏すクレヨンたち。すべてを塗りつぶした白いクレヨンも、力尽きて倒れてしまう。
静まりかえる舞台。
少年が立ち上がり、クレヨン一つ一つを見て回る。
最後に白いクレヨンの手をとり、頬ずりをする。「…ごめんね」
…ああ、そうだ。こんなストーリーだった。案外覚えているもんだなぁ。
40年ぶりくらいに思い出したら、ふっと頭にもう一つの作品がよぎった。
それは、さかざきちはる著『ワン ワン ワン -捨て犬たちの小さなおはなし』という絵本。
人間の身勝手な理由で保健所に連れてこられた3匹の犬たちの物語で、私は特に最後のお話が心に残っている。
飼い始めの頃は頻繁に名前を呼んでくれた飼い主。
しかし、しだいにかまわれなくなり、名前を呼ばれなくなり、犬は自分が「透明になった」と感じる。
…いずれの犬も保健所で新しい飼い主と出会い最終的には幸せになることができるのだが、切なくて、涙が出てくる話だ。
ここまで思い出したところで、この二つには共通点があると気付いた。
どちらも主人であり愛する者に、無視され見捨てられるというストーリーなのだ。
ああ、そうか…と腑に落ちた。これは、母と私の物語なのだな。
中学生の頃から私の中には「カラフルなクレヨンと比較されて、無視されて放置されている自分」という自覚があったんだな。(ちなみに私は黒クレヨンの役だった)
「母にとっては自分も、透明な存在なんだ」って、自分と重ね合わせて涙していたんだな。(そしてついには母の脳内から末梢されたし)
腑に落ちて、合点がいって、ため息がでた。
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